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お知らせ

2025.11.10

商標

【これから商標出願する方へ】先に似た商標があっても諦めないで!「コンセント制度」活用ガイド

これから商標出願をお考えの方に向けて、「コンセント制度」について、分かりやすく解説します。

これは2024年4月1日から施行された比較的新しい制度で、商標出願の戦略を大きく変える可能性のある重要なルールです。


🏛️ そもそも「コンセント制度」とは?

一言でいうと、 「すでに他人の似た商標が登録されていても、その権利者(持ち主)から『OK(同意)』をもらえれば、あなたの商標も登録を認めますよ」 という制度です。

この「同意」のことを、英語の「Consent(コンセント)」と呼んでいます。


🤔 なぜこの制度が重要なのか?

この制度の重要性を理解するために、以前のルールと比較してみましょう。

以前のルール(2024年3月まで)

  • 状況: あなたが「ABC」という商標を出願したい。しかし、先に他人が「ABD」という似た商標を登録していた。

  • 交渉: あなたが「ABD」の権利者に「『ABC』を使わせてください」とお願いし、許可(同意書)をもらった。

  • 審査: その同意書を特許庁に提出。

  • 結果: 拒絶 されていました。

  • 理由: たとえ当事者同士がOKでも、特許庁は「消費者が混乱する(見間違える・聞き間違える)恐れがあるためダメです」という立場を優先していました。

新しいルール(コンセント制度の導入後)

  • 状況: 上記とまったく同じ。

  • 交渉: 「ABD」の権利者から許可(同意書)をもらう。

  • 審査: その同意書を特許庁に提出。

  • 結果: 登録が認められる可能性が出てきました。

  • 理由: 当事者間の合意を尊重し、柔軟なブランド展開を認める方向に変わったためです。


💡 コンセント制度で可能になること(メリット)

この制度の導入により、出願人であるあなたには、以下のようなメリット(新しい選択肢)が生まれます。

1. 交渉による「共存」という選択肢ができた

以前は、似た商標がすでにある場合、

  • 自分の商標デザインを変える

  • 出願をあきらめる

  • (莫大な費用をかけて)相手に商標を買い取らせてもらう といった選択肢が主でした。

今後は、「(お金を払うなどして)同意(コンセント)をもらう」という交渉によって、両方のブランドが市場で共存できる道が開けました。

2. グループ企業や提携先とのブランド戦略が容易に

例えば、親会社が「TOKYO A」という商標を持ち、子会社が「TOKYO B」という似た商標を使いたい場合、これまでは登録が困難でした。 コンセント制度を使えば、親会社の同意を得ることで、子会社の商標も正式に登録し、権利として守ることができます。

3. 「うっかり」似てしまった場合の救済

すでに事業で使っている商標が、後から他社の登録商標と「似ている」と発覚した場合でも、交渉して同意を得られれば、自分の商標を(使用開始時にさかのぼって)登録できる可能性があります。


⚠️【最重要】注意点:「同意」さえあれば必ず通るわけではない

ここが一番の落とし穴なので、必ず覚えておいてください。

コンセント制度は、「同意書(承諾書)さえ出せば、何でも登録できる」という万能な制度ではありません。

特許庁は、あくまで「消費者が混乱しないこと」を大前提としています。

たとえ相手の同意があっても、以下のようなケースでは登録が認められない可能性が高いです。

  1. 商標が「同一」(まったく同じ)の場合

  • (例:相手が「ABC」で、あなたも「ABC」)

  • 商品・サービスが「同一」(まったく同じ)で、かつ商標も酷似している場合

  • (例:相手が「カメラ」で商標「SUMSUNG」、あなたが「カメラ」で商標「SAMSONG」など、見間違いが明らかすぎるケース)

あくまで、商標が「類似(似ている)」の範囲内であり、かつ、両者の事業内容やブランドの使い方などから「消費者が混乱する恐れは低い」と審査官が判断した場合にのみ、登録が認められます。

🚀 まとめ:出願人としてどう動けばよいか?

  1. まずは通常通り、出願したい商標と似た商標が先に登録されていないか、しっかり調査します。

  2. もし似た商標が見つかった場合、以前なら「あきらめる」か「デザイン変更」でした。

  3. 今後は、「その権利者と交渉して、同意(コンセント)をもらえないか?」という新しい選択肢を検討してください。

この制度は、特に他社と協業(コラボ)する場合や、交渉力のある企業にとっては、非常に強力な武器となります。