2026.6.5
著作権
商標
中国
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海外進出するなら絶対に知っておきたい!「著作権」と「商標権」の決定的な違いと使い分け
「うちの商品やサービス、海外でもそのままの名前で使って大丈夫かな?」 「海外でイラストやロゴをマネされたら、どう対応すればいいんだろう?」
これから海外展開へ一歩踏み出そうとしている事業者にとって、避けて通れないのが「知的財産権(知財)」の壁です。
国内ビジネスでの基本(著作権は作品の保護、商標はブランドの保護)は知っていても、海外という新しいステージではルールが大きく変わります。海外展開を意識した場合に、最も重要になるキーワード。それは、「権利を国ごとに取得する必要があるかどうか」という点です。
1. 著作権:手続き不要で、世界中で「自動的」に保護される
著作権の最大の強みは、国境を越えても自動的に権利が発生する点にあります。
◆ 無方式主義と国際条約:申請なしで世界から守られる
日本は「ベルヌ条約」をはじめとする、著作権に関する主要な国際条約に加盟しています。そのため、日本国内で創作された文章、イラスト、音楽、キャラクターの画像、ウェブサイトのデザインなどの著作物は、特別な申請や登録の手続きを一切しなくても、条約加盟国(世界中のほとんどの国)で自動的に保護されます。これを「無方式主義」と呼びます。
◆ 「©マーク」は必要? 現在の役割とは
昔はアメリカなど一部の国で保護を受けるために「©(コピーライト)」マークの表示が必須とされていましたが、現在では法的な義務はほとんどなくなっています。 しかし、海外に向けて「これは私の権利物であり、無断利用は許さない」と明確にアピールし、無断コピーを牽制するツールとして、現在でも「© + 著作権者の名前 + 創作年(例:©︎ ABC Company 2026)」を表示しておくことが強く推奨されます。
💡 さらに安全性を高める!海外での「著作権登録」の活用法
「著作権は自動で守られるなら、登録の手続きは一切いらないの?」と思われるかもしれません。しかし、海外(特にアメリカや中国など)でビジネスをする場合、現地の著作権局に「著作権登録」をしておくことが、非常に強力な武器になります。
裁判での強力な証拠になる: 万が一、海外で海賊版や無断コピーの被害に遭い裁判になった際、「自分が先に作った」という動かぬ証拠になります。特にアメリカでは、裁判を起こして「法定損害賠償(実際の損害額が証明しにくくても一定額を請求できる権利)」や「弁護士費用の請求」を行うために、事前の著作権登録が必須、または非常に有利な条件となっています。
ECサイトやSNSでの即時削除: Amazonや主要な海外SNSプラットフォームでは、政府機関の発行した「著作権登録証明書」を提示することで、模倣品の出品や無断転載アカウントをスピーディに削除させることができます。
⚠️ 注意点:適用されるのは「現地の法律」
海外で著作権侵害(海賊版の流通や無断コピー)が起きた場合、原則として「侵害行為が行われた国の著作権法」に基づいて対応することになります(保護国法の原則)。国によって「どこまでが権利侵害か」「パロディや引用はどこまで許されるか(フェアユース等の例外)」の基準が異なるため、現地の法律に合わせた判断が必要になる点には注意しましょう。
2. 商標権:国ごとに取得が「必須」。怠ると致命的なリスクに
海外展開において、最も警戒し、事前に対策しなければならないのが「商標権」です。商標権には「属地主義」という大原則があります。つまり、「日本で取った商標権は、海外では一切通用しない」ということです。
◆ 進出先での権利取得が必須
海外で自社の商品名、サービス名、ブランドロゴなどを展開する場合、必ずその進出先の国ごとに商標登録を行う必要があります。
◆ 恐ろしい「商標の横取り(冒認出願)」リスク
海外進出する前に現地の商標権を取得していないと、現地の第三者に自社のブランド名を勝手に先を越されて登録されてしまう「横取り」のリスクがあります。 もしブランド名を横取りされてしまうと、以下のような致命的なトラブルに発展します。
自社の本物の商品なのに、その国へ輸出・販売できなくなる
現地で「偽物扱い」され、差し止めや損害賠償を請求される
ブランド名を取り戻すために、相手から法外な買い取り費用(数百万〜数千万円)を要求される
◆ 国ごとの独自ルール(日本とアメリカの違いなど)
国によって商標のルールは大きく異なります。たとえば日本や多くの国は「先に役所に申請して登録した人が勝ち」という「登録主義」ですが、アメリカは「実際に市場でその商標を使っている人が強い」という「使用主義」を採用しています。 未登録であっても、現地で先に使っていれば一定の権利(コモンロー上の権利)が認められるケースもあります。そのため、海外展開時には現地の法制度に即した入念な「商標調査」が不可欠です。
◆ 効率的に進める「国際出願制度(マドプロ)」の活用
進出したい国が複数ある場合、国ごとに別々の言語や手続きで申請するのは膨大な手間とコストがかかります。そこで実務上よく使われるのが、「マドリッド協定議定書(通称:マドプロ)」という国際的な商標登録制度です。 これを利用すれば、日本の特許庁を通じて、複数の国に対して一括して商標出願を行うことができ、コストと管理の手間を大幅に削減できます。
3. グローバルビジネスを勝ち抜く「知財ミックス」戦略
海外でビジネスやコンテンツ(アニメ、ゲーム、キャラクターグッズ、アパレルなど)を展開する場合、著作権と商標権のどちらか一方だけではなく、両者を組み合わせる「知財ミックス」が成功のカギとなります。
作品そのもの(イラストや映像、パッケージデザイン)は「著作権」で守る 海外の海賊版サイトや模倣品(コピー商品)に対しては、自動的に発生する著作権(および現地の著作権登録)を根拠に、サイトへの削除要請や、税関での差し止め(水際取締り)をスピーディに行います。
ブランド名・名称・ロゴは「商標権」で守る 現地の商品名、サービス名、キャラクターの「名前」、ブランドの「ロゴマーク」などは、絶対に著作権の自動保護を過信してはいけません。現地の市場でビジネスの「目印(信頼の証)」として長く使い続ける名前やロゴについては、必ず進出先の国で個別に「商標権」を取得して防御します。
まとめ:海外進出時の知財イメージ
海外展開を意識した場合、両者の違いを以下のようにイメージしてください。
「著作権は、世界共通のパスポートのように自動で守ってくれる」 「商標権は、国ごとにビザ(登録)を取らないと一切守ってくれない」
特に、ブランド名やキャラクター名などのネーミングについては、海外展開を「検討し始めた段階」で、いち早く現地の商標調査を行い、権利を確保することがグローバルビジネスを成功させるための鉄則です。
また、自動で守られる著作権も、アメリカや中国などの主要国では事前の「著作権登録」を行うことで、トラブル発生時の盾と剣が何倍も強くなります。攻めと守りの両輪を揃えて、安全な海外進出を果たしましょう!
