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2026.6.30

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歴史的円安で急増する「並行輸出」の脅威!現地代理店を守るためにメーカーが今すぐ取るべき3つの防衛策

円安を背景に激化する「日本商品の海外流出」

「せっかく現地の正規代理店が苦労して開拓した市場なのに、日本から安い並行輸入品が流れ込んできて価格競争に巻き込まれている……」

今、多くの日本のメーカーがこのような悩みに直面しています。その背景にあるのが、歴史的な円安です。海外のバイヤーや国内のブローカーにとって、日本国内の流通価格は「格安の仕入れ値」に見えています。

一見、国内での売上が上がるため見過ごされがちですが、放置すると海外の正規代理店の離反グローバルなブランド価値の崩壊を招く致命的なリスクとなります。

1. なぜ「並行輸出」の放置は危険なのか?3つの主要リスク

国内で商品が売れるなら問題ないのでは?と考えるのは危険です。並行輸出の横行は、長期的に自社の首を絞めることになります。

  • リスク①:現地正規代理店のモチベーション低下と離反 現地の代理店は、現地の言葉でのプロモーション、マーケティング、認証取得などに多額のコストを投資しています。そこへ、コストを一切かけていない「安い並行輸入品」が流入すれば、正規代理店のビジネスは成り立たなくなり、最悪の場合、契約を打ち切られてしまいます。

  • リスク②:グローバルな価格崩壊とブランドイメージの低下 ディスカウントショップやECモールで乱売されることで、プレミアムブランドとしての地位が失われ、安売りブランドとしてのイメージが定着してしまいます。

  • リスク③:仕様違いによるクレームとサポートの混乱 日本国内向け(電圧、説明書、成分、対応アプリ等)の商品がそのまま海外で販売されると、「動かない」「肌に合わない」といった現地ユーザーからのクレームがメーカーに殺到し、ブランドの信頼を失墜させます。

2. メーカーが今すぐ取りうる「3つの防衛アプローチ」

並行輸出を防ぐには、単に「転売禁止」を呼びかけるだけでなく、多角的な防衛策を講じる必要があります。

① 法的・契約的アプローチ(知財と契約の活用)

  • 特許権を活用した「輸出制限の明記」: 日本の最高裁判例(BBS事件など)に基づき、国内の卸問屋やバイヤーに製品を販売する際、「海外への輸出を禁止する」という特約(合意)を交わし、さらに製品の本体やパッケージに「輸出禁止」とはっきりと明記します。これにより、特約を無視して輸出された場合に、知財権(特許権等)の侵害を主張できる法的な基盤を整えられます。

  • 国内クローズド販売網の構築: 一次卸や特約店との契約に「ブローカーへの転売禁止」を盛り込み、違反した場合は供給停止や違約金を科すなど、国内ルートの蛇口を強固に締めます。

② 製品・技術的アプローチ(物理的にサヤを無くす)

  • 仕向け地(輸出先)ごとの仕様変更(ジオブロック等): ファームウェアを日本国内専用にする、専用アプリのログインを日本のIPアドレスや電話番号に限定する、あるいは電圧や成分を現地法規制にガチガチに合わせるなどして、「日本版を海外に持って行ってもそのままでは使えない・売れない」状態を作ります。

  • シリアルナンバー・RFIDによる流出元特定: 海外の市場で並行輸入品を見つけたら、そのシリアルナンバーを追跡します。国内の「どの問屋、どのルートから流出したか」を瞬時に特定し、そのルートへの出荷を制限・停止する兵糧攻めが極めて有効です。

③ マーケティング・サービス的アプローチ(正規の価値を高める)

  • 「国際保証」の対象外化: 「日本国内で購入された商品の保証・修理は、日本国内でのみ有効」と利用規約に明記し、現地の正規サービスセンターでの対応を拒否(または超高額な有償対応に)します。現地ユーザーに対して「並行輸入品はリスクが高い」と認知させることが重要です。

  • グローバルプライシングの見直し: 為替の変動を考慮し、内外価格差を極力縮小する価格改定(国内価格の適正な値上げ、または海外価格の調整)を検討し、転売業者の「旨み(利ざや)」を物理的に削り取ります。

現地代理店は重要なパートナー。今こそ毅然とした対策を

並行輸出対策は、一筋縄ではいきません。国内の流通業者への行き過ぎた制限は、独占禁止法(不公正な取引方法)に抵触するリスクもあるため、知財権の正当な行使の範囲内か、法的なリーガルチェックを事前に行うことが不可欠です。

しかし、「為替のせいだから仕方がない」と放置していれば、築き上げた海外市場を失うことになります。現地で自社ブランドを支えてくれる正規代理店を守るためにも、まずは現状の流通経路の把握と、契約書の見直しから始めてみませんか?