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外国出願のよくある疑問

マドプロを使って中国で商標登録するデメリットはありますか

外国で商標を登録するときに利用されるマドプロ.

マドプロを経由して中国で商標を登録することもできますが、マドプロを経由することのデメリットを3つ紹介します.


1.商標登録証が発行されない

2.指定商品が意図した商品と違う

3.中国で商標代理人がいない


1.マドプロを経由して商標登録されると商標登録証が発行されません

商標登録証がなくても商標登録されていれば実務上の問題は発生しない、というのは日本の感覚です.

中国では商標権にもとづいてアクションを起こそうとする場合は必ず商標登録証の写しが必要です(登録番号だけでは不十分です).

商標権に基づいて他社へ警告状を送付するような権利行使はもちろん、通関のときに税関職員に正規品であることを説明するときも商標登録証が必要です.

タオバオ等のネットショップで販売するときも正規品であることを証明するために商標登録証が必要です.

中国企業と取引契約を締結するときも商標登録証の写しが要求されます.


マドプロを経由せずに中国へ直接出願すれば商標登録証は自動的に発行されますが、マドプロ経由の場合は「马德里国际商标出具商标注册证明申请书」により商標登録症の発行を申請しなければなりません.

商標登録までは中国の商標代理人を経由せずに手続きをすすめることができても、商標登録証を発行する手続きで中国の商法代理人が必要になります.

そして登録症の発行には時間と政府費用と代理人費用がかかります.


2.指定商品や指定役務が日本で登録されている内容と違う

日本と中国では指定商品や指定役務の内容が一致していません.

マドプロを経由せずに中国に直接出願するときは、中国の指定商品・指定役務リストに記載されている商品名・役務名を記載します.


マドプロを経由して中国に出願すると、中国の指定商品・指定役務リストに記載されていない商品名・役務名で登録されることがあります.

商品・役務リストに記載されていない商品名・役務名で登録された商標権は、特に権利行使のときに問題がおこります.

警告状を送付するなどして権利行使をするときは、相手が製造販売している商品が商標登録証に記載された商品・役務であることを主張します.


商標登録証に記載されている商品・役務が中国の商品・役務リストに記載された商品名・役務名と一致していないと、権利行使は難しい場合があります.

商標権侵害事件を扱う工商局は裁判所と違い商品・役務の内容を商標登録証の記載に基づいて形式的に判断するからです.


3.必要なときに商標代理人がみつからない

マドプロ経由で中国へ出願するときは中国の商標代理人を選任する必要がありません.

審査で問題がなければ中国の商標代理人が必要になることはありません.

中国の商標代理人を経由せずに商標登録できます.


しかし審査の段階で手続きが必要になったとき、商標登録証の発行を申請するときなど、商標代理人が必要になったとき、商標代理人が引き受けてくれるとは限りません.

中国の商標出願件数は世界一です.

優秀な商標代理人は人気があり、国内はもとより海外からも争奪合戦があります.


優秀な商標代理人が足りない状況では、かりに引き受けてくれたとしてもマドプロを経由せずに中国の商標代理人を経由して出願したときの料金と同じということはありません.

必要なとき商標代理人がみつからないという状態は、特に期限が迫っているときには注意です.

中途で受任してくれる商標代理を早急に見つけなければならないという切羽詰まった状況は、料金交渉を含めて出願人・権利者にとって不利益を及ぼします.


外国に商標登録するときに便利なマドプロですが、中国だけはマドプロを使わないという方法もあります.

どこの国で権利を取るべきか悩んでいます

競争の激しいレッドオーシャン市場には多くの特許が存在します.

自社製品の製造販売の妨げになる他社の特許が存在しない国を探すことができれば、その国では他社の特許に邪魔されずに自由に商売をすることができます.

一般的に特許が出願されていない国というのは、市場自体が小さく商売に魅力がないわけですが、全ての企業にとって魅力がない市場というわけではありません.

大企業にとって小さい市場であっても、自社にとっては十分に魅力的な市場である可能性があります.


また市場自体は魅力的であっても、特許制度が存在しない国があります.

特許制度が存在しなければ特許は存在しません.

さらに特許制度は存在していても特許制度が機能しない国もあります.

特許制度が機能しない国では、形式的に特許は存在しますが、権利行使をすることができず実質的に特許がないことと同じです.


自社にとって適正規模な市場であり、かつそこに特許が存在しなければ、それは自社にとってのブルーオーシャン市場です.

外国出願をするとき安全保障貿易管理の規制はありますか

ほとんど全ての民生用技術が軍事転用を可能とする技術です.

例えば、センサ技術がミサイル誘導に使用され、デジカメに使われているCCDがスパイ衛星に搭載され、塗装技術がステルス戦闘機に使用されています.


また、今は誰でも使っているカーナビも、当初は測位精度を落として民生用に転用されたものであり、インターネットも、電話回線に代わる通信網として米軍が開発した技術であることは有名です.


日本で開発される先端技術は、民生用として研究開発されているものがほとんどですが、世界に目を向けると、先端技術は軍事用として開発され、それが民生用に転用されます.


同じ技術でも扱い方が日本と日本以外とでは全く異なります.


その技術を国家単位で管理する特許制度ですが、欧米では秘密特許制度によって保護されています.


秘密特許制度とは、出願された特許を一律に公開する特許制度の例外として存在し、これによって重要な技術を公開による技術漏洩から守っています.


一方、日本では秘密特許制度がありません.

出願した発明は内容は全て18ヶ月後の公開されます.


安全保障貿易管理というシステムが日本を始め世界中で機能しています.


技術を外国に提供するときには許可を得なければ輸出することができません.


安全保障貿易管理の対象はモノだけではなく情報も対象になります.


外国で特許を取得するために技術情報を輸出することも安全保障貿易により制限されるというのが原則です.


例外として、特許を出願するために必要最小限の技術提供であれば許可不要という運用が行われています(貿易外省令第9条第2項第十一号).


「必要最小限の技術提供」という制限が課せられていても、実務上、これが守られていることはなく、逆に過剰な情報を提供しているのが現状です.


特許出願という目的のためなら、事実上、機微情報が無制限に海外に流出することを許容しているのが現在の特許実務です.


特許出願という目的以外で、海外へ技術を輸出する場合には以下のような制限があります.


海外で製品を製造するために技術情報を提供する場合、無制限に技術情報を提供することが許されているわけではありません.


汎用品を製造するための技術提供であっても、その技術が外為令で規制されている可能性があります.


製品の試験データを海外企業に提供する場合はどうでしょう.

試験データという名称に関係なく、そのデータが製造に使用される場合は規制の対象です.


外国に技術情報を提供する場合だけが規制の対象ではありません.

国内で技術情報を扱う場合でも、情報を提供する相手が非居住者であれば規制の対象です.


研修会やセミナーなど、大勢の人を集めて技術説明会を開催する場合、その中に非居住者が含まれてれば規制の対象です.


海外の子会社の社員に技術を提供する場合、その社員が日本から出向している日本人であっても、非居住者であれば規制の対象です.


このように技術情報を外国へ提供する場合は勿論、国内であっても相手が非居住者の場合や、日本人であって非居住者であれば、無制限に技術情報を提供することはできません.


技術情報の扱いがこれだけ厳格に管理されているなか、「必要最小限の技術提供」という制限が課されていることを理解して特許実務にあたることが必要です.


必要最小限の情報開示を意識すると、ノウハウを守ることにも繋がります.

日本で商標登録出願をしてから外国に出願します. 注意すべきことはなんですか

日本だけではなく中国やタイなどの外国に商標を登録する機会が増えてきました.

このとき優先権制度を利用すると外国の出願日を日本の出願を基準に判断するため、日本の出願日と外国の出願日との間の第三者の商標出願による拒絶などの不利益を回避することができます.

優先権の効果を得るためには日本で出願した内容と同一の内容を外国で出願しなければなりません.

具体的には日本で出願した商標と同一の商標で、日本で指定したときの商品や役務と同一の商品や役務を指定して外国で出願する必要があります.


ところが商品や役務の同一性を維持することは簡単ではありません.

日本で指定できる商品や役務の内容と中国やタイなど外国で指定できる商品や役務の内容とに制度上の相違があるからです.

日本では包括的な商品や役務の指定が認められていますが、中国やタイなどでは包括的な指定はできないので商品や役務を個別に指定しなければなりません.


日本で指定した商品や役務の内容と同一の商品や役務を指定して中国やタイで出願すると、中国やタイでは認められていない商品や役務の指定を含むことになり、このような出願は方式審査で補正を求めれます.

補正をして商品や役務の内容を変えてしまうと日本で指定した商品や役務との同一性が損なわれ、今度は優先権の主張が認められなくなります.

優先権の主張が認めれないと日本で出願した日ではなく、外国で実際に出願した日が出願日となります.


この結果、日本で出願した日から外国で出願した日までの間の第三者の出願による影響を受け外国で商標を登録することができなくなります.


特許の場合は外国の実務を把握したうえで特許明細書を作成していますが、商標においても外国の実務を把握したうえで商品や役務を指定しておく必要があります.

外国出願をする前にその国で特許調査をしたいのですが問題はありますか

自社の発明の特許性等を調査する場合があります.

技術調査を提供する会社は日本だけではなくインドなど海外にも多くの調査会社があります.

それでは外国の調査会社に技術情報を調査させた場合に法的な問題はないのでしょうか.


該当する法律は貿易外省令第9条第2項です.

いわゆるリスト規制に該当する技術の提供です.

リスト規制に該当する技術を外国へ提供する場合には経済産業大臣の許可を必要とします.


ただしリスト規制に該当する技術情報であっても、公知技術及び将来公知となる技術を提供する場合は例外として許可を必要とすることなく海外の調査会社に技術情報を提供することができます.


ところで、我々特許事務所は海外で特許を取得するために海外の特許事務所に技術情報を提供しています.

これは「工業所有権の出願又は登録を行うために、当該出願又は登録に必要な最小限の技術を提供する取引」に該当することを理由に貿易外省令第9条2項11号で経済産業大臣の許可不要という規定に基づくものです.


特許性の調査は、調査後に海外へ特許出願を行う可能性はありますが、特許出願のために技術を提供している訳ではありません.

法律解釈として例外条項は厳格に解釈します.

特許出願を予定している特許調査だから、海外に技術情報を提供しても問題ないという拡大解釈はしない方がよいでしょう.

意匠権を外国で取得するメリットはなんですか

外国出願というと、特許や商標がまず思い浮かぶわけですが、費用対効果を考慮して意匠を出願しておくことをおすすめします.


まず費用の面

出願から登録までの総額(5年間の平均的な費用)は、特許・商標・意匠のなかで意匠が最も低いことは余り知られていません.

特許より低いのは当たり前としても、商標より低いというのは意外な事実です.


つぎに効果の面

技術に特徴があるから意匠は関係ない、と考えるのは間違いです.

技術的な機能が製品の外観に顕れることがあります.

製品の外観デザインを保護する意匠を登録しておくことで間接的に技術を保護することができます.


そして権利内容が図面で視覚的に容易に理解できる意匠権は、言葉の壁がある海外では特に威力を発揮します.

母国語で理解するのも容易ではない特許、翻訳された文章の理解は専門家でも容易ではありません.


最小の費用で最大の効果を得ることができるのが意匠権です.

中国は特許権だけで大丈夫ですか

ネットのオークションを覗いてみると、ベンツの部品やBMWの部品が数多く出品されています.

オークションで純正以外の部品を安価に仕入れて修理を依頼するのだそうです.

このような純正以外の部品の多くが世界の工場と言われている中国で製造されています.


製品に対して特許を取得しておけば、その製品に使われる部品を他社が無断で製造すれば特許権の侵害になると思っている方が多いと思います.

間接侵害の規定がある日本では、製品に使われる部品も保護されますが、間接侵害の規定がない中国では、製品に対して特許を取得しただけでは、製品に使われる部品を製造販売しても特許権の侵害にはなりません.

製品だけでなく部品についても特許を取得できれば良いのですが、部品自体は汎用技術を使っているので特許を取得できるような技術的特徴がないことが多いと思います.


そこで部品に対して意匠権を取得しておくことをオススメします.

技術的な特徴がなくても外観のデザインに特徴があるとして部品の意匠権を取得しておくのです.

中国の場合、意匠は無審査で登録されるので意匠権は容易に取得できます.

外国で登録する商標はどのように決めればよいのですか

FTAにより関税障壁がなくなるとビジネスは国境を越え複数の国が一体になります.

例えば、これまで中国で製造されていたモノは中国とFTAを締結しているASEAN各国で製造されるように変わっていきます.

そしてASEANで製造されたモノは中国だけでなくASEANとFTAを締結している国に輸出されるようになります.


このようにFTAにより複数の国が一体になっても、商標は各国で登録すること変わりはありません.

ところが新しく商標を登録しようと思っても、すでに登録されている商標と類似する可能性が高いため、希望する商標を登録することは年々難しくなっています.

このような商標の枯渇に対応していくために、文字と図形など複数の要素を組み合わせた結合商標を考えざるをえなくなります.


ここで頼りになるのがコーポレートブランドです.

コーポレートブランドが強い識別力を持っている場合、コーポレートブランドを組み合わせた結合商標も識別力を持ち、商標類似のハードルをクリアして商標登録される可能性が高くなります.

将来のビジネスに備えて、その国でコーポレートブランドを確立させておく簡単な方法は、その国でコーポレートブランドの商標登録を済ませておくことです.


商品の製造・販売を始めるときは、すでに商標登録されているコーポレートブランドと商品ブランドを組み合わて出願すれば確実に商標登録を成功させることができます.

クラウドシステムを開発しています. どのような外国出願をすればよいのですか

クラウドサービスは日本だけではなく海外からもアクセスできるという国境を越えたサービスです.

もし新しいクラウドシステムを開発した場合、その知的財産を守るためには日本だけでは不十分です.

知的財産を守るための法律には国境があり、国外には法律は及びません.

ところがインターネットの世界には国境はありません.

せっかく開発したクラウドサービスが海外で第三者に使われても日本の法律で海外の無断使用を止めさせることはできません.


では具体的に説明しましょう.

まず、サーバが設置されている国で知的財産権を取得しましょう.

クラウドサービスを実現するプログラムが記憶されているサーバを差し押さえるためには、サーバが設置されている国で権利が必要です.

サーバが設置されている国は日本とは限りません.

地震や停電でサーバが停止することがないよう最近ではシンガポールにサーバを設置する場合があります.


次に、ユーザがいる国で知的財産権を取得しましょう.

ユーザは日本に住んでいるとは限りません.

海外から利用できるのがクラウドサービスの良いところです.


最後に、特許権だけでなく意匠権も利用しましょう.

クラウドサービスを実行するためのプログラムは特許法で保護されます.

クラウドサービスを実行するユーザインターフェースのデザインは意匠法で保護されます.

最近のシステムはユーザインターフェースを工夫してユーザの使い勝手を向上させたり、視覚的に斬新なデザインを採用して競合他社のシステムと差別化を図っています.

特許権を取得することに比べれば簡単な手続きで取得できる意匠権は、複数の国で手続きをする場合に適していると言えます.

また特許権は常に技術的な理解や言葉の解釈が問題になりますが、意匠権は外観で判断できることから、海外でトラブルが発生した場合でも、当事者の意見の食い違いが少ないというメリットがあります.


今後ますます増えていくクラウドサービス、日本だけではなく海外での知的財産も活用して競合他社とのトラブルを防ぎましょう.

中国で商標登録する場合、出願人を誰にすればよいのですか

これから中国で商標を登録する場合、権利者となる出願人は、次のように決めることができます.


中国に法人がまだ設立されていない場合

親会社である日本法人名で出願できます.

中国現地法人の法人代表に就任する予定の個人名で出願できます.


中国に法人を設立してから1年未満の場合

親会社である日本法人名で出願できます.

中国現地法人の法人代表者の個人名で出願できます.


中国に法人を設立してから1年を経過している場合

親会社である日本法人名で出願できます.

中国現地法人名で出願できます.

中国現地法人の法人代表者の個人名で出願できます.


親会社の日本法人が権利者の場合、中国現地法人に対して商標の使用権を設定することができます.

中国法人から日本法人に対して商標使用料という方法で、利益を中国から日本へ戻すことができます.


日本法人から中国法人へ商標権を譲渡したり、個人から法人へ商標権を譲渡する場合は譲渡手続きを行います.

なお、日本法人が商標の権利者の場合、商標権の使用、収益及び処分は、取締役会の決議が必要な場合があります.

また、中国法人が商標の権利者の場合、商標権の使用、収益、処分は董事会での承認が必要な場合があります.

中国で商標登録する場合、漢字商標は必ず必要なのですか

中国に進出する企業は自国名のブランドとは別に中国用に漢字を使ったブランドを用意しているところが殆どです.

漢字を使っている有名なブランドを紹介します.

麦当劳 マクドナルド

星巴克 スターバックス

飞利浦 フィリップス

肯德基 ケンタッキー

优衣库 ユニクロ


これらのブランド名はアルファベットやユニクロのような片仮名ブランドなので、漢字は中国専用にローカライズしたものです.


日本企業の場合は、漢字名のブランドを持っているところが多いので、敢えて中国用にローカライズする必要がありません.

例えば、豊田、三菱、樫尾は、そのまま中国でも使えます.

漢字のブランド名は中国用にローカライズする必要がないので便利ですが、本当にそのままでいいのでしょうか.


そんなヒントを与えてくれるのが、衣料品ブランドの「しまむら」です.

「しまむら」は創業者の島村恒俊氏の性から取ったブランドです.

中国へ進出する際に用意する漢字名も、島村で良かったはずです.

ところが「しまむら」は島村を使いませんでした.

中国名は、「飾夢楽」です.


「飾夢楽」が良く考えられていると思われる点が3つあります.


1つ目が、shi・ma・mu・raの呼び方になるように漢字を選んだことです.

中国は日本と同じ漢字でも呼び方が全く異なります.

「島村」のピンインはdao cunなので、shi・ma・mu・raとは発音しません.

「飾夢楽」のピンインは、shi meng leなので、shi・ma・mu・raの発音に近づけることができています.

多くの日本企業が、日本で使っている漢字をそのまま中国で使うため、似ても似つかぬ発音に戸惑っているところが少なくありません.


2つ目が3文字の漢字にしたことです.

shi・ma・mu・raのそれぞれに漢字を当てはめれば4文字の漢字になります.

そこを敢えて三文字にしたことです。

現在、中国のブランド名は三文字の漢字が主流です.

最初に紹介した世界的なブランドも全て三文字の漢字です.

三文字にすることにより、呼びやすい、覚えやすい、見た目のバランスがいいという効果があります.


3つ目が漢字の選定です.

衣料品ブランドならではの特徴があります.

コーディネートの「飾」

あの服を着たい、この服を着たいという夢や希望「夢」

洋服を買うときの楽しみ「楽」

「飾夢楽」を見ただけで何かワクワク感が醸成されます.


このような工夫が盛り込まれた「飾夢楽」ブランドですが、実は漢字三文字は中国でも非常に人気で商標を登録することも簡単ではありません.

「飾夢楽」は、夢や楽など、観念が良い漢字を2つも使っていながら商標も登録しています.


中国名を考える場合は、しまむらのようなローカライズが非常に参考になります.

漢字2文字の商標は中国で登録できないというのは本当ですか

覚えやすい、バランスがいい、という理由で、日本では漢字2文字かならなる商標が多く使われています.

しかし日本で使っている漢字2文字の商標をそのまま中国で登録することはできないと考えておくべきです.


日本と同じように中国でも漢字を選ぶ基準は同じです.

漢字が表現する意味合いがよく、漢字自体のバランスがよく、覚えやすいことです.

漢字1文字ではなく漢字2文字の組み合わせを好むのも日本と同じです.


同じような嗜好で選ばれた漢字2文字の商標はすでに中国で登録されています.

漢字2文字の商標はすでに枯渇しているので漢字3文字の商標を登録しなければなりません.

漢字3文字の商標もすでに枯渇してきているので、さらに文字数を多くした漢字商標を選択せざるを得ません.


文字数を多くすると覚えやすさやバランスが損なわれるので、文字数を多くする代わりに文字と図形を組み合わる方法があります.

中国ではひらながやカタカナが文字ではなく図形として扱われることを利用して、漢字とひらがなやカタカナを組み合わせるという方法もあります.


「superdry極度乾燥(しなさい)」という、イギリスのファッションブランドが使っているネーミングが参考になります.

漢字とアルファベットからなる文字商標に中国では図形として扱われるひらがなを組み合わせています.


日本人では思いつかないネーミングですが、漢字に興味がある欧米人、日本語に興味がある中国人に受け入れられやすいともいえます.

漢字2文字や3文字に比べれば文字数が多くなりますが、文字数が増えても覚えやすさやバランスは損なわれていません.

中国で勝手に商標登録されないようにとりあえず商標出願したのですが問題はありますか

冒認出願対策としてとりあえず中国に商標を出願しておく、というケースが少なくありません.

中国は日本と同じように登録主義を採用しています.

したがって、中国国内で現在使用していない商標でも「将来的に使用する予定がある商標」について予め商標登録をすることができます.

中国で製造・販売する事業計画に先立ち、中国で使用する商標を予め出願する、という考えに基づいて、中国で商標出願する場合は中国商標法の趣旨と整合します.

ところが、中国で製造・販売する計画はないが、第三者に商標を登録されてしまうことを嫌い、とりあえず中国で商標出願する、という場合は中国商標法の趣旨と整合しません.

現段階では使用する予定はないが将来のことはわからない、ということもありますが、中国商標法が想定している「将来」とは、出願した商標が登録された後、「3年」です.

中国商標法が登録主義を採用する結果、冒認出願対策商標を含め、実際には使用されていない商標も数多く登録されてしまうという弊害が生じます.

このため、中国で商標登録された後、3年間継続して使用されていない商標に対して、不使用を理由とする取消を請求できる制度(中国商標法第49条)が設けられています.

中国で製造・販売する予定がなく、冒認出願対策を理由に中国で商標を登録する場合は、取り消されるリスクがあることを想定しておく必要があります.

中国の商標登録は必要でしょうか

商標を登録する目的は商標を独占して使用するためではありません.

商標が使用できなくなるリスクを回避するためです.

商標を登録しなくても商標を使用することはできます.

独占的に使用することはできませんが、商標を使用することはできます.

しかし商標を第三者が登録したら、商標を使用することができなくなるかもしれません.

中国ビジネスを考える場合、商標を登録しないことのリスクを常に考えておく必要があります.

相手に商標を登録されてしまうリスク.

相手から商標の使用中止を求められるリスク.

相手から損害賠償を請求されるリスク.

中国工場の操業を停止させられるリスク.

中国税関で通関が停止されるリスク.

模倣品の拡散を阻止できないリスク.

これらのリスクは中国で商標を登録しておけば対応できるものばかりです.

模倣品対策のための外国出願はどうすればよいのです

模倣品対策は、早めに、小さく、継続する、ことが大切です.

模倣品対策のために必要な知的財産権も、完璧な権利を求めるというよりは、小さいな権利をより多くという考えでポートフォリオを拡張していきます.


模倣品対策で必要な外国出願といえば中国です.

日本税関で差止めされた模倣品の9割が中国からの貨物であるように中国における模倣品対策は必須です.


模倣品対策のために中国で取得する知的財産権は特許よりも意匠や実用新案が適しています.

中国の知財制度において、実用新案と意匠は無審査制度を採用しているからです.

早く権利を取得するという目的を達成するために無審査で付与される実用新案や意匠が適しています.


実用新案と意匠はどちらも保護対象が物品の形状に係るものですが、明細書の作成が必要なく図面のみで足りる意匠の方が費用の面では優れています.

中国で特許を取得しても意味がないのですか

中国で権利を取得しても意味がないという話を聞くことがあります.

その理由の一つが裁判です.

権利行使、すなわち損害賠償請求や差止め請求を考えれば、たしかに外国の裁判はハードルが高く、司法解決は非現実的です.


しかし中国における権利行使は司法だけではありません.

模倣品対策のほとんどは司法解決ではなく行政摘発です.


タオバオ等の通販サイトに出品されている模倣品の製造工場は行政に依頼して摘発することができます.

香港で商標登録するときの漢字は繁体字だけでよいのですか

中国に返還された香港ですが、中国本土で登録された商標権の効力は香港には及びません.

香港でも商標権の効力を及ぼしたいときは、中国本土とは別に香港でも商標を出願しておく必要があります.


香港で商標を出願するときに注意することは漢字の字体です.

簡体字を使う中国本土に対して香港では繁体字を使います.


ところが中国へ返還された後の香港は、次第に中国本土の影響が強くなり、現在では香港でも中国本土で話す普通語や中国本土で使われる簡体字が普及しています.

そのため繁体字の商標だけを香港で登録するだけでは十分な保護が期待できなくなってきています.

香港で商標を出願する場合、繁体字の他に簡体字の商標も出願しておく方が安心です.


繁体字の他に別途、簡体字の商標を出願する場合に利用できる、連続商標という制度があります.


連続商標を利用すれば、繁体字と簡体字の商標を簡単に出願することができます.