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2025.11.3

意匠

中国

中国デザイン出願のコスト削減術!「合案申請(一括出願)」のメリット・デメリット徹底解説

中国で製品のデザイン(意匠)を守りたいと考えたとき、出願コストは気になるところです。特に、シリーズ製品やデザインバリエーションが多い場合、費用は膨らみがちです。

そんな時に役立つのが、中国の「合案申請(一括出願)」制度です。これは、一定の条件を満たせば、複数のデザインを1つの出願としてまとめて申請できる制度です。

うまく使えば非常に強力なこの制度ですが、注意点もあります。今回は、この「合案申請」のメリット、デメリット、そして活用時の留意点を分かりやすく解説します。


そもそも「合案申請」とは?

中国の意匠出願は、原則「1つの出願には1つのデザイン(一出願一意匠)」です。

しかし、「合案申請」では、以下の2つのケースに限り、複数のデザインを1パッケージ(1出願)にできます。

  1. 同一製品の類似意匠(上限10個)

    例:基本デザインは同じだが、色や模様が少しずつ異なるTシャツのシリーズ(最大10デザインまで)

  2. セット製品の意匠

    例:デザインが統一された「ティーポットとティーカップ」のセット


👍 メリット:コスト削減と管理の効率化

合案申請を選ぶ最大の理由は、その効率性にあります。

1. 圧倒的なコスト削減

これが最大のメリットです。出願を1件にまとめられるため、

  • 出願手数料

  • 登録後の特許維持年金(毎年発生)

これらがすべて1件分で済みます。 例えば、10個の類似デザインを個別に出願すれば10件分の費用がかかりますが、合案申請なら1件分です。特に維持年金は長期的に大きな差となります。

2. 権利管理がラクになる

出願番号や特許番号が1つにまとまるため、事務管理が非常に簡素化されます。

  • 年金支払いの期限管理

  • 権利移転(売買)の手続き

  • 住所変更などの登録情報変更

これらが一度の手続きで完了します。


👎 デメリット:審査のリスクと活用の制限

一方で、すべてを1つにまとめることによるリスクもあります。

1. 審査の「連鎖」リスク

合案申請は「1件の出願」として審査されます。これは、含まれるデザインのうち1つでも拒絶理由(例:新しさがない、要件違反など)が見つかると、出願全体が拒絶されてしまうことを意味します。

(例)10個のデザインのうち9個が完璧でも、残り1個に問題があると、10個すべてが「拒絶理由通知」の対象となってしまいます。

2. 権利活用の柔軟性が低い

権利が「一体化」しているため、デザインを個別に活用しにくくなります。

  • 一部だけのライセンスが困難: 「10個のデザインのうち、3番目のデザインだけA社に使わせたい(ライセンスしたい)」といった柔軟な対応が難しくなります。

  • 一部だけの売却・放棄が困難: 「このデザインはもう不要だから権利を放棄する」といった場合も、権利全体に影響が及ぶ可能性があります。


⚠️ 活用時の留意点:出願前に戦略を立てよう

合案申請は「諸刃の剣」です。メリットを活かし、デメリットを避けるためには、出願前の戦略が重要です。

1. 「将来どう活用するか?」を考える

  • まとめて管理したい場合: デザインバリエーションが多く、すべて自社で一括管理・使用する場合は、合案申請が最適です。

  • 個別に活用したい場合: デザインごとにライセンス先を変えたり、一部を売却したりする可能性がある場合は、コストがかかっても最初から個別に出願する方が賢明です。

2. 「要件を満たすか」を厳しくチェック

「何となく似ている」という理由ではなく、「類似意匠」や「セット製品」の厳格な要件を満たしているか、出願前にしっかり確認しましょう。もし審査官に「これは要件を満たさない」と判断されると、出願の分割(分け直し)が必要になり、余計な手間と費用が発生します。

3. 最も重要なデザインの扱い

もし「これだけは絶対に権利化したい」というコアなデザインがある場合、そのデザインだけは単独で出願し、他のバリエーションを合案申請にする、という戦略も有効です。


まとめ

中国意匠の「合案申請」は、コスト削減と管理効率化の面で非常に強力なツールです。しかし、審査リスクや権利活用の柔軟性といったデメリットも内包しています。

自社の製品戦略や将来のビジネス展開を見据えて、最適な出願方法を選択することが成功の鍵となります。迷った場合は、是非、ご相談ください。